2017年10月1日日曜日

将来、ビットコインが価値を持つとは思えない

最近、ビットコインが話題で最高値を更新したり、暴落したりを繰り返している。
そこで、個人的に「今」思うことを記録しておく。将来、考えが合ってたか間違ってたか確認するために。

ビットコインがあれば次のようなことが新しく可能になりそう。

  • 個人間で手数料無しに送金できる
  • QRコードを伝えられれば送金可能になるので、インターネットライブ等でもお金をすぐに集められる
  • 誰かに差し押さえられたりはしない
  • 銀行口座を持つことができない人も、ビットコインの振込先を持てるので貧困層にもビジネスの可能性を広げる
  • 世界中で共通の通貨なので旅行時もすぐに支払える
  • 母国通貨の将来が不安なとき待避通貨としてすぐに交換できる
一方、現金と比較してビットコインのデメリットは次のようなものがある。
  • ビットコインのID(?)を紛失したら二度と復活できない
  • 銀行口座やクレジットカードのように他の誰かが資産の保護をしてくれない
  • システムが処理できる速度に限界があり、世界規模で利用されるとスムーズな決済ができない
  • インターネットが無いと利用できない
この辺りを勘案して検討した結果、将来、ビットコインが価値を持つとは思えない。一番の理由は「実需」が見込めないからである。
現在、ビットコインが売り買いされている理由は、将来的な投資であり、ビットコインが必要だから買っているという実需は一切ない。強いて言うなら、中国で自国通貨から外国通貨に交換するための媒体として使っていたかもしれないが、これを実需と呼ぶのは微妙。確かに、ビットコインが世界中で利用されたら個人の自由度は大きくなり、経済活動はよりスムーズになるように見える。しかし、そこに至るまでの道のりが遠すぎる。

実需とは商活動での利用を想定しているが、商活動で利用できるようになるためには、次のようなステップを踏む必要がありそう。
  1. 世界規模でスピーディーな決済に対応できる
  2. ビットコインを信用する人が増える
  3. ビットコインを使うメリットが現在の通貨を使うメリットを超える
  4. ビットコインの価値が安定する
1番目は、ブロックチェーンという仕組みのせいでかなり難しいような気がする。設計の内部を知っているわけではないが、記録を全て分散させて残すというイメージから。
2番目の信用は「通貨」として成立するときに必要な物。一切の組織がビットコインの価値の安定に動かないにも関わらず信用できる通貨になるとは思えない。
3番目は例えば銀行口座を持つことができない貧困層は、インターネットへの接続も難しいだろうし、ビットコインを使う状況にならないと思う。先進国では電子マネーというものが使われているが、これをビットコインに置き換えるメリットが見当たらない。すぐに動くレートのせいで決済の金額が不明瞭になるだけに思う。また、大きい金額のやり取りをする会社は、積極的に使う理由が見当たらない。
4番目の安定。今は1週間で30%下落するという国際通貨では許されないような動きになっている。これは、実需が無く投資家が雰囲気で売り買いをしていることに起因する。また、国が発行している通貨は、市場の通貨量を調整して経済活動を正常化するための道具にもなっている。通貨量を管理できないビットコインは値段が安定せず、経済活動に利用しにくいだろう。

将来になってみないと結果は分からないが、「ビットコインの価値はゼロになる」ほうにベットして10年後に答え合わせしようと思う。(Bloggerが終了していませんように。)